小さな小さな美術館のかけら――オリジナル飾りボタン

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12月、大切な家族や友人とあたたかな食卓を囲みたくなる季節です。
今年の美術館のクリスマス装飾は、開催中の企画展示「食べるを描く。」にちなんで、
特別な日の彩り豊かな食卓を イメージしました。
かわいいペーパーナプキンをのぞかせクッキーを添えたり‥‥装飾の準備はまるでちょっとしたパーティーに誰かをお招きするときのようにわくわくします。
食卓の笑い声がきこえてきそうな賑やかな雰囲気にぬいぐるみたちもいつもより嬉しそう。
ぜひこの機会にショップマンマユートへお越し下さい。

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小さな小さな美術館のかけら―――【オリジナル飾りボタン】

私たちが毎日身につける洋服。「きれいなボタンだな」と感じて洋服を選ぶことはないでしょうか。
Tシャツのように頭からかぶるものもありますが、すてきな飾りがついた洋服だと少し胸をはりたい、華やいだ気持ちにもなります。
そんな特別な《飾りボタン》があったら、皆さんならどのように使いますか?
今回は、さりげなく身につける、実用と装飾を兼ね備えたオリジナルの《飾りボタン》をご紹介します。

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▲飾りボタン3種 「トトロオープニング」 緑・青 各1,800円(税別)/中:「ムゼオ」3,200円(税別)/右:「魔女の宅急便」2,400円(税別) 

出会いから生まれるまで

マンマユートオリジナルの飾りボタン。これらのすべては、原型づくりから成形、仕上げ、台紙に並べるまでを、たった一人の手で行なっています。作者は矢代真由美さん。
全部を一人で手がけてしまうほどの並々ならぬこだわりの持ち主ですが、矢代さんのお仕事への取り組みにはちょっと独特な思いがあるよ うです。

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▲矢代真由美さん/美術大学在学中に、アンディ・ウォーホルに影響をうけボタンを並べたモチーフで作品を創作する。卒業後にその技法をもとにオリジナルのアクセサリー制作・販売を始め好評を博している。

美術館スタッフがたまたまあるイベントで作品を拝見して、ご連絡させていただいたのがはじまりでしたね。

矢代  確か最初はメールをいただいたのですが、なんで私を知ってるのかなぁ? と不思議でした。「ジブリ美術館ですが」というご連絡をいただいたときは、怪しい……、と思ったりもしてました(笑)。

驚かせてしまいました(笑)。矢代さんの作品はスタッフの一人が以前から知っていて、得意げに使用していたのです。

矢代  そうだったんですね。ありがとうございます。

ボタンなのに凝った作りでモチーフもかわいいですし、やさしい感じがして印象に残っていたんです。小さいのに特別の存在感があると思いました。

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▲矢代さんの作品群。ヒヤシンスのボタンの根は糸でできている(※美術館でのお取り扱いはありません)

美術館の商品をお願いするにあたっては、まず自由に美術館をご覧いただきモチーフ探しからお願いしました。

矢代  最初にまずあちこち拝見して、試作を数点つくらせていただきました。

遊び心のあるアイデアがたくさん出てきて驚きました。
展示室の筆のボタンや、美術館の窓のボタンもつくってくださいましたね。

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▲試作品の数々

矢代  窓型のものは縫い付けてモチーフが完成するパターンのボタンなんですが、その時期はそのシリーズに凝っていて。やってみたかったんです!

いろいろ検討した結果、『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』、そして美術館をモチーフとした『ムゼオ・ダルテ・ジブリ』の三種類でお願いすることになりました。

矢代  モチーフを考えたり試作をつくる段階は、映画を見直したりして楽しかったですね。
『魔女の宅急便』のキキがしているリボンなどは、ただのリボンのボタンではなくて、どうしたら〝キキのリボン〟にみえるのか、いろいろ思いをめぐらせました。
大きくてひと目で印象に残るようなリボン。
そういうところに気を使いながら試行錯誤をしました。

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▲リボンボタン制作中

なるほど。モチーフを絞り込み、いよいよつくりはじめてからはいかがでしたか?

矢代  最初の試算では、気楽に考えていたんです。
例えばトトロのボタンだと、1セットが6個入りなので、100セット納品なら600個作るスケジュールは……と、考えていたんですよ。
でもこれだと、たった100人分。台紙の色違いで2種類あるので、1200個つくるにしても、美術館にいらしてるお客様の人数から考えると、すごく少ない…。実際に販売がはじまると大変でした。

あっという間に完売してしまうことが続いてしまいました。

矢代  これまでも自分がつくった作品をお店に卸してはいましたが、定期的に大量の再注文をうけてつくることがほとんどなかったので、全然ちがうものだなあ、とあらためて思いました。

いちばん予想外だったのはどのような点ですか?

矢代  工程上、型があれば量産ができそうな気がしますが、ひとつひとつ、最後は全部を同じように美しく仕上げたいので……。
表面を滑らかに削り形をすべて整える、これが特に大変で。
嫌いな作業ではないのですべて自分でやりたいのですが、手が足りない……と思ってます(苦笑)。

飾りボタンができるまで

矢代さんが手がける飾りボタンは、原型をシリコンゴムで型取りし、エポキシ樹脂を流して硬化させた後に、裏面を平らに整形し金具をつけて完成します。
特に仕上げの工程が思わぬ試練だったとのことですが、
手作りボタンはどのように作られるのか、その工程をのぞかせてもらいました。

原型から色付け~実用品のこだわり

まずは粘土で原型を作って型をとりはじめるわけですね。
ジジのボタンを例にするとどこからはじめるのですか?

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矢代  見えにくいですが、ジジの場合は鼻の茶色と白目のところだけ先に入れてかわかします。
次に耳の紫、最後に黒を流すんです。
黒目は型からはずしたあとに上からちょんと載せます。
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色を塗るのではなく1色ずつ樹脂を固めて色を表現しているんですね。
どの色も中間色が目に優しいというか、綺麗ですね。

美術館オリジナルモチーフの「ムゼオ」には、とてもたくさんの色数があるような気がしますが、
〝おでん〟のボタンには何色使っているのですか?

矢代  5色ですね。一色ずつちょんちょんちょんと……。
〝おでん〟はつくっていても「わーっ!」てなります(苦笑)。
流すときがいちばん頭を使いますね。たこの吸盤の色を入れて、次ここ……って。
硬化の時間も考えますから。
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たこの吸盤をひとつひとつですか……!

矢代  吸盤とこんにゃくを固めて、棒が2番め、3番目にたこの赤を入れて、たこの切り口断面のピンクは取り出してから流します。
〝おでん〟は実は中に補強のワイヤーも仕込んでいるから、このボタン一つつくるのだけでも結構大変なんです。

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▲〝おでん〟や〝おにぎりとドア〟など細い部分には補強ワイヤーが入っている

洗濯しても大丈夫なようにワイヤーを入れたり色が落ちないようにしたり、いろいろな工夫がなされているんですね。

矢代  そうですね、ボタンは実用で使うものですし。
……それを何千個ってつくるのは大変ですけど(笑)。

樹脂に顔料を混ぜる濃度は決まっているのですか?

矢代  決まっています。ある割合以上に入れてしまうと固まらなくなりますので。
色を出すのは難しかったですね。できるだけ映画の色に近づけようとして、魔女宅のリボンの赤には少し青を入れていますが、トンボのTシャツはオレンジっぽい赤なので黄色を足したりとか、同じ赤でもいろいろつくりました。

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ヤスリがけのひそかな楽しみ

ゴム型に色わけした樹脂を流し終わり約一日かけて硬化させ、いよいよ仕上げですが、これが一番大変だとおっしゃっていた工程ですね。

矢代  そうです。ちょうど硬化して削るのを待っているトトロのボタンでやってみます。

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矢代  裏面を平らにしてからバリをとっていきます。
机の上の紙ヤスリを使って平らにしますが、
指が削れちゃうので普段は保護テープを貼って作業しています(笑)。

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矢代  棒ヤスリは平らなもの、三角、丸、半丸の四種類を、ボタンの形によって使い分けます。

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ひたすら続けるわけですね……一日ずっと朝から晩まで?

矢代  朝から晩まで……9時半くらいから19時くらいまでですね。
ヤスリがけのときは特に。それだけで二日とか五日とか。
さすがに飽きちゃって眠くなるから、違う形のをやってみたりとかしています。

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▲磨かれるのを待つトトロたち

誰かにお願いしたい、とは思わないですか?

矢代  ふつうはつらい作業だと思うんですよね。
でも私はこの工程を含めて、楽しいからできちゃうんですが。

えっ、楽しいのですか?

矢代  ついつい量が多くて大変とか言っちゃうんですが、作業自体は楽しいというかおもしろいと感じているんです。
きれいな形になっていく嬉しさや楽しさが私にはあるんだと思います(笑)。

金属のパーツをつけ台紙に並べて完成

ヤスリがけが済んだ形品の裏側に金属の足(リング)をつけると、ようやくボタンになります。

いよいよ最後の工程ですね。
裏側につけるリングはどのようにしてつけているのですか?

矢代  リングも自分で制作しています。
先端が丸いペンチで、真ちゅうのワイヤーを丸めてつくっているんです。
このリングをボタンの裏にドリルで穴をあけてボタンと同じ樹脂で接着をします。

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矢代  この部分がつくと一気に〝ボタン〟って感じになります。
こういうふうに樹脂のボタンに金属のリングをつけろうと思えたのは、大学で金属を専攻していたからです。
樹脂がおもしろくてやっている感覚ではいるんですけど。異素材の組み合わせでできたものが、用途不明でコロン、と置いてあったりするのがカワイイな、と思ってるだけなので、本当はボタンでなくてもいいんです。
ボタンばかり作っているのでボタン作家といわれたりするんですけど…困惑してもいて(苦笑)。

ボタンじゃなくてもいい、とは!?

矢代  樹脂の感じと金属の組み合わせがいいなって。マニアックなのかな。「この組み合わせたまらん」、みたいな(笑)。

素材フリークなのですね?

矢代  そうかな。……液体が固体になっていくのが楽しくて。でもこれは、こわいですよ。
締め切りがあるような展示だと、透明な液体だけあって、何もない。
なので固体になっていく喜びがあるんです(笑)。

なるほど。好きこそものの上手なれ、ですね。リングも自家製ですし。これでいよいよ完成ですか?

矢代  最後に透明なラッカーで仕上げをします。
ラッカーも樹脂なので、表面が均一になります。
そのあとに最終段階の台紙ですね。この紙も自分でデザインしてカットしたものを使っています。

完成したボタンを一点ずつ台紙につけていく作業も矢代さんがなさっていますが、これもまた大変そうですね。

矢代  台紙への取り付けの時はすでに終わった気持ちになっているので、大変だとは感じませんね。
ヤスリがけが終わったらもう「終わったー♪」みたいな気持ちなんです。
もともとの、ボタンがシートについている状態も好きなので……(笑)。

紙、という異素材との組み合わせにも、またたまらないカワイさを感じているのですね(笑)

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▲完成

おわりに

仕上がったボタンが置いてあると、この小ささと柔らかな感じがいいですね。

矢代  自分のなかでかわいいと思えるサイズ感があるんです。
コロンと転がしておいてもかわいいという状態、存在感にしたいなと。
そこにあってコロっとかわいいもの。用途不明のなんとなく可愛いものをよく買ってしまったりするんですけど、それでいいっていうか。
小さなものがそこにある可愛さみたいなものが好きなんだと思います。

そんなカワイイものが大好きなスタッフたちが、矢代さんのボタンを使いいろいろなものを作っています。

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▲手作りのアクセサリー

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▲植木鉢や贈り物のアクセントに

たくさん発注して多くの人にいろいろな使い方をされるのは、イヤじゃないですよね?

矢代  もちろん! 嬉しいです。たまに見かけて、「ふふっ」と思ってます(笑)。

ジブリ美術館の注文に鍛えられて、自分のボタンづくりがめちゃくちゃ速くなった、と笑う矢代さん。
こちらから見ると気の遠くなるような地道な工程も、彼女にとっては楽しくおもしろい作業だと聞き、とても暖かい気持ちになりました。
矢代さんの「かわいくなれ……」という思いが吹き込められた小さなボタン。
みなさんもこの小さな小さな宝物をショップの中で見つけて、自分ならではの「かわいい」の組み合わせに、ぜひ仕上げてみてください。

気持ちがあたたかくなる作業を見せていただきありがとうございました。

(2017年10月27日、埼玉県・さいたま市にて収録)

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今回ご紹介するのは、自分の手で仕上げる、たのしいオリジナル商品をご紹介します。

ぬいぐるみキット 「大トトロ」 「中トトロ」 「オオトリさま」  …各680円(税別)

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針の準備はいいでしょうか?あとは少しのやる気と遊び心で丸々としたかわいい大トトロ、中トトロとオオトリサマのぬいぐるみが作れるキットです。ひとつひとつのパーツを縫い合わせていく工程も楽しいのですが、最後に綿をつめておなかを膨らませると、魂が宿るかのようにかわいくなるところが魅力のひとつ。付属のストラップをつければ持ち運びもできます。お手製のぬいぐるみづくり、挑戦してみてはいかがでしょうか。

指人形おりがみセット 「千と千尋の神隠し」「めいとこねこバス」「ジブリ美術館」 …各500円(税別)

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説明を見ながら折り紙の要領で折っていくと、立体的なキャラクターが出来上がる指人形折り紙シリーズ。『千と千尋の神隠し』と美術館オリジナル短編映画『めいとこねこバス』、そして『美術館オリジナルモチーフ』の全3種類。完成して並べてみると達成感でずっと眺めていたくなります。裏面はレターカードになっているので、少し手の込んだかわいいメッセージカードとしてもお使いいただけます。

おてがみメモ 「ニセ受付」「バス」 …各350円(税別)

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お友だちとの小さなお手紙交換。些細なメッセージでも折り畳まれたメモを開くときは少しどきどきするものです。そんなやりとりがもっと楽しくなる、かわいらしい2種類のおてがみメモが登場しました。メッセージを書いて線の通りに折れば簡単に「トトロのニセ受付」「美術館のバス」の形が完成です。送る方ももらう方も笑顔になれそうなおてがみメモ、ぜひ様々なシーンでお役立てください。。

※商品は品切れの場合がありますので予めご了承ください。